論語の中で私がとりわけ好きな一節がある.

 子貢政を問ふ.
 子曰く,食を足し,兵を足し,民之を信にすと.
 子貢曰く,必ず已むことを得ずして去らば,斯の三者に於て何をか先にせんと.
 曰く,兵を去らんと.
 子貢曰く,必ず已むことを得ずして去らば,斯の二者に於て何をか先にせんと.
 曰く,食を去らん.
 古より皆死有り.民信無くんば立たずと.

 「信無くんば立たず」とはうまく言ったものである.人は人同士信用できなくなると立って歩けなくなる.つまり,獣になる.
 人が言うから信じる.
 獣の言うことはわけがわからない.

 獣が王になると狂と言う.
 論語で狂と言えば錯乱を意味しない.
 獣が権力を握ると錯乱が生じる.

 リーダーとは,導く人である.
 リーダーは先頭を歩く.
 リーダーの条件は,人に信頼される事である.

 思想家の中には散策を習慣としていた者が数多い.
 明日へ通ずる道は足腰で選ぶ.
 目の前の物は手で撰ぶ.

 人は人の道を踏み外してはならない.
 しかしどうしても先へ進めなくなった時は,自分で道を切り開くしかない.


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