会社などの組織ではいろいろな才能の人が力を合わせて仕事をこなしている.
予想のうまい人.集金のうまい人.整理のうまい人.などなど.
ウソや言い訳のうまい人がいる.組織によってはこういう人物も役に立つ.
トラブルが起きたときに言い訳をする.
相手が損するのが明白な契約を結ばせる.
デマ情報を流して敵を混乱させる.
会社がこのような人を雇う場合,一見すると権限がありそうで,良く見ると会社の本筋から離れている不思議な肩書を与えておいて,普段は雑用をさせて置くようである.会社で一番身なりが良い人と言えばウソツキ屋だ.ウソツキ屋はきれい好きである.ウソツキ屋の話を聞くと良い家庭環境に恵まれ,学歴がしっかりしていて,地位のある友人が何人かいることが多い.
組織が大きくなると必ずウソツキ屋が発生すると見ても良さそうだ.建国当時のアメリカ合衆国という理想国家においてさえもウソツキ屋がいた.ワシントンのデタラメな伝記を出版して儲けた男がいる.言論出版の自由とやらで取り締まられなかったのだろうか.あの有名なサクラの木の美談はこの伝記作家の作り話だ.伝記作家の息子が親に褒められようとして本当に家のサクラの木を切ってしまって,正直に白状したという.その子は親にこてんぱにしかられたとの逸話が残っている.
ウソツキ屋が異常に出世している組織がある.
中国の秦では趙高というウソツキ屋が皇帝に次ぐ二番目の地位を占めていた.
ナチスではゲッペルスというウソツキ屋がヒトラーに次ぐ二位の側近だった.
オウム真理教では上佑史浩がウソツキ屋だった.教祖逮捕当時二番目に偉かった.
ウソツキ屋はウソツキ教という耳慣れない宗教の信者である.ウソツキ教は古い宗教である.どれほど昔に逆上るか定かでない.
ウソツキ教の信者は生きているうちにウソをつけるだけついて死後のウソツキ天国行きを目指す.ウソツキ天国ではだれもがウソをつきまくる.ただ全部ウソではだめというルールがある.適当に本当のことや意味不明のことを織り交ぜて何が真理かわからないように会話をしなければならない.
ウソツキ天国は人の物は取り放題,契約書はウソ八百,オオカミ少年野放しのとんでもない所だって?そうではないとウソウキ教徒は考えるのだ.ウソツキ天国では言葉が通じないだけに人は人の感情を直接読み取るようになるという.それによって万人を結ぶ強い絆が生まれると言う.確かにそれは一理あるようだ.
言うまでもない,もっとうまい方法で人と人の結び付きは強くなる.
ウソツキ教徒は愛に飢えている.愛に恵まれれば脱会する.
ウソツキ教の最終目的はこの世界をウソツキ天国にしてしまうことだ.一国丸めてウソツキ王国化することには彼らは何度も成功している.しかしその度に戦争が起きてウソツキ王国が敗北してしまっている.革命でウソツキ王国が崩壊したこともある.
ナチスドイツはジェット戦闘機を生み出す科学力を持っていたが独ソ戦に敗れた.
大日本帝国は神風特攻隊を生み出す精神力を持っていたが太平洋戦争に敗れた.
アメリカは武器弾薬を無尽蔵に生み出す経済力を持っていたがベトナム戦争に敗れた.
最後の例は宗教の力が経済の力を上回っていることを示す.左翼経済学の巨匠の歴史観には限界があるようである.
ウソツキ屋が王様をだましてその国をウソツキ王国にしてしまったというおとぎ話もある.知ってるよね.